2025.11.17

人生会議(ACP)の日に向けて〜揺らぎの中で、何を語り合うか〜

訪問診療では、長い間療養を続けてこられた患者さんが多い一方、「昨年までは一緒に山に登ったのに」といった、ついこの間まで元気だった方が急に体調を崩されるということに直面することがあります。

そういった急なお身体や生活の変化に、ご本人はもちろんですが、ご家族が現状を受け止め、気持ちを整理していくことは、とても難しいことだろうと思います。

私たちは、心のどこかで「昨日と同じ今日が続くこと」「あたりまえに明日がくること」を、信じています。
しかし生きること、病気になったり、老いを重ねることは、実は誰にもわからない未来に向かっていくことなのだと、改めて考えさせられます。
その「誰にもわからない未来」に突然直面した時、どのように心の呼吸を整えたらいいのか。
そう想像すると、不安で心細い気持ちになります。

身をもって知った「もしも」の不安

私事ですが、その不安な気持ちを身をもって知る出来事がありました。

今年の1月、足を滑らせて転倒し、後頭部を強打してしまったのです。
受傷直後から頭痛があり、意識が朦朧として支離滅裂な言動が続いたため、救急受診をしました。
幸い検査で異常はなく帰宅できましたが、その後も数分ほどの記憶しか保持できず、同じことを何度も繰り返し聞いていました。
そんな私の姿を見た家族は、「このまま記憶が戻らないのではないだろうか」という、言いようのない不安に襲われていたと思います。
私自身は幸いにも今では後遺症もなく過ごしていますが、受傷当日の記憶は今でも戻らないままです。

もしもあの時、記憶がないまま何もわからなくなってしまっていたら。目を覚まさなかったら。
自分は、家族は、どんな思いの中で明日へ向かっていくのだろう。
この記憶の「断絶」は、ご家族の心に深く残る不安と、その後の生活の恐れを身をもって理解する機会となりました。
急な変化を避けることは難しいですが、今できることはなにかを考えた時、伝えておきたいことを想像すること、そして残しておくこと。
不安の海にひとり沈まないために、日頃からご家族や大切な人と「もしも」の時を話し合っておくことが大切だと思います。
昨日と同じ今日だったとしても、伝えておきたいことをカタチにしておく習慣を持てるような、そんな生き方ができたら素敵ですね。

「もしも」の時を話し合っておくことが大切

11月30日は「人生会議の日」とされています。
厚生労働省「人生会議してみませんか」リンク

人生会議はACP(アドバンス・ケア・プランニング)とも呼ばれ、「もしも」の時にそなえて、患者さんご自身が大切にしていることや、ケアの希望について、あらかじめご家族や友人、医療・ケアチームと話し合う取り組みです。

この機会、「もしも」の事をお話ししてみてはいかがでしょうか。

またかかりつけ患者さんやご家族、連携先の皆さん、もし人生会議についてのご相談がございましたら、是非お気軽に当クリニックスタッフまでご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました!

※こちらもおススメです→漫画で読む「人生会議」PDF資料(厚生労働省)

アシスタントチーム
この記事の執筆者

アシスタントチーム (あしすたんとちーむ)

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