2024.03.05

家族を介護するということ -いつもと違うひな祭りの季節-

今年もひな祭りがやってきました。
今年は例年にない暖冬で雪が全くない庄内地方。
異例の暖かさで、白鳥も既に北帰行を始めてしまい、庄内の田んぼは静かな3月を迎えています。

北に飛んでいく白鳥

先月、今月と自分の周りではてんやわんやな出来事が続き、うっかり雛人形を飾ることも忘れてしまいそうでした。何とか一夜飾りは避けられましたが💦

訪問診療にたずさわって約3年半、本当にたくさんの患者さんの診療に関わらせていただきたくさんのご家庭にお邪魔してきました。
そしてご家庭の数の分、そのご苦労を目の当たりにしてきました。
この度、自分の身内でも患者さんのご家族と同じような体験をすることになり、自分の生活も一変しました。
このような状態になっても自分は訪問診療に携わっているから何も問題ないだろうと過信しておりました。
しかし、家族に介護が必要になった瞬間、知識があるはずなのに、一旦パニックに陥りました。そして、どんなサービスが使えるか知っているはずなのに、一旦自分だけで何とか乗り越えようと頑張ってしまいました。。。
今回は幸い外部のサービス利用をしなくても身内中を巻き込んで何とか乗り切れそうですが。
それまで自分の生活の一部を担ってくれていた人が突然と病に伏してしまうことで、自分の生活ペースも変えなければならなくなる事態を、きっと患者さんご家族の誰しもが体験されて来られたのだろう、と実感した次第です。

先日、そんな環境の変化もあってか、子供に「人が死ぬ時って痛いの?」と聞かれました。あまりに唐突な質問に何と答えて良いものか、悩みました。
「お母さんも死んだことがないから、わからないなあ」としか言えませんでした。
返事はあっさり「ふ~ん」でした。
そして続けて「家族のだれにも死んでほしくないんだあ」と。
それは、実に、それぞれの愛する家族の素直な気持ちなのだと思いました。
そしてそんな風に感じられるまでに成長した我が子に素敵な感情を教えてもらった気がした桃の節句の出来事でした。

齊藤 佳寿
この記事の執筆者
あい庄内クリニック 院長

齊藤 佳寿 (さいとう かず)

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